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子どもの心肺停止に対する胸骨圧迫などの一次救命処置は、医療者は必須の知識です。特に胸骨圧迫は、道具を必要とせず、その手技の質が子どもの予後に大きな影響を与えます。知識を学ぶだけでなく、是非ハンズオンの講習会などに積極的に参加して体得してください。ガイドラインは5年ごとにアップデートされています。
回 答 確 認
解説
子どもの心肺停止に対する胸骨圧迫などの一次救命処置は、医療者は必須の知識です。特に胸骨圧迫は、道具を必要とせず、その手技の質が子どもの予後に大きな影響を与えます。知識を学ぶだけでなく、是非ハンズオンの講習会などに積極的に参加して体得してください。ガイドラインは5年ごとにアップデートされています。
正解はb)です。
乳児の胸骨圧迫の部位は乳頭を結ぶ乳頭間線の下で胸の中央が適切です。乳児に一人の救助者で行う場合、二本指で胸骨圧迫を行います。1歳を超える年齢に対する胸骨圧迫には、片手の付け根を用いた胸骨圧迫を行います。体格的に胸骨圧迫が困難であれば、両手を用いた成人と同じ圧迫法を用います。
参考資料:
①「G2015 BLSプロバイダーマニュアル レールダル」P.50
②日本小児科学会「こどもの救急」≫※サイトの左下に「一次救命処置」があります。
正解はc)です。
適切な圧迫リズムは乳児(新生児を除く)から成人まで100-120回/分とされています。140回/以上は絶対的に間違いではありませんが、圧迫の質を維持できない事が研究結果で報告されています。
参考資料:
①G2015 BLSプロバイダーマニュアル レールダル」P.50
a)が望ましいです。
正解はc)です。
AEDを用いる場合は、まず始めに電源を入れます(蓋を開けた時点で電源が入る機種もあります)。その後、音声ガイドに従ってパッドを装着します。ショックの際は必ず患児に触れないように、ボタンを押す人が確認します。
参考資料:
①「G2015 BLSプロバイダーマニュアル レールダル」P.57
正解はa)です。
意識のない子どもを発見した時の手順。
周囲の安全を確認→肩を叩いて声をかける(乳児は足底を叩く)→反応がなければ人を呼ぶ→視診で呼吸を確認し、脈(乳児は上腕動脈、小児は頸動脈か大腿動脈)を確認する→脈がなければ、まず胸骨圧迫を30回行い、気道確保、人工呼吸を行う。以前は、ABCの手順、すなわち気道確保(Airway)、人工呼吸(Breathing)、胸骨圧迫(Circulation)の手順でしたが、人工呼吸を躊躇するため胸骨圧迫にたどり着かないことが研究で示されたため、CABで胸骨圧迫を最初に実施する手順に変更になりました。小児の心肺停止の理由は呼吸原性が多いのですが、新たな手順でも人工呼吸実施までの遅れは最大18秒とされるため、成人の手順と統一されました。
a)が適切です。
小児科外来 緊急時必要物品リスト
・酸素(酸素ボンベ、流量付きバルブ、延長チューブ)
・リザーバー付きアンビューバッグ
・フェイスマスク
・吸引用医療機器
・静脈ルート確保の用具一式(輸液としての生理食塩水を含む)
・心肺蘇生に用いるバックボードもしくは平坦で硬質の台
・AED
・パルスオキシメーター
・血圧計
・治療内容記録シート
a)が適切です。
医療機関において、子どもに緊急処置を必要とする事態は常に起こりえます。例えば、予防接種を実施する施設であれば、常にアナフィラキシーのリスクがあり、アドレナリン注射のみならず、その後の介入を必要とすることがあります。物品を揃えるだけではなく、院内での救急時対応の練習も必要です。
c)が間違いです。
Circumstance 環境ではなく、Circulation (循環)が正解です。Exposure 全身観察では、外傷、出血の有無、体温を確認します。
参考資料:
①「JTAS(Japan Triage and Acuity Scale)2017 ガイドブック へるす出版」
正解はb)です。
緊急の児と認識した場合は、診断よりも危険な状態を脱却するために介入が求められる。アンダートリアージは児を危険にさらすため、極力避ける事が求められる。一方でオーバートリアージは、アンダートリアージを避けるため、ある程度は許容される。パルスオキシメーターが100%であっても、多呼吸、陥没呼吸などの呼吸窮迫症状が強い場合には緊急性が高い場合がある。
参考資料:
①「JTAS(Japan Triage and Acuity Scale)2017 ガイドブック へるす出版」
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